アルファ・りょうま・りんたろうのお散歩日記

りょうま 1 別れ

2019年9月1日 抗生剤点滴のために入院していた獣医から退院したりょうまはすでに肺まで冒されていたが、自分で歩いて車に乗った。

苦しい呼吸の中でも私を見る目はいつも通り優しかった。「やっと帰れるね、父さん」そう言っていた。

9月4日の午前0時、りょうまが呼んだ、横臥位が苦しかったのだろう上半身を起こして起座呼吸の状態だった。そしてこの呼び声が最後の声になった。

いつもの優しい目線はなくなり、別れの不安と闇を恐れる目線に変わってしまったりょうまの半身を抱きかかえ「苦しいね、苦しいね、早く病気を見つけてやれなくてごめんね、また会おう

きっと会えるから不安じゃないよ、ありがとう、ありがとう!りょうま、りょうま!」泣きながら叫び続けた。

当てた聴診器から、胸の中で蒸気機関車が走り回るような音が聞こえて別れが来たことを悟った。

おおきな呼吸を3回してりょうまは私の胸に崩れ落ちた。