アルファ・りょうま・りんたろうのお散歩日記

金太郎さん

何年前から診ているか定かではないが、「プロゴルファーになれなかったが、その道でしか食えねえし、関西のゴルフ場で働くので宜しく」と現われた。その風貌から金太郎さんと呼んでいた。

3年ほど前から、膀胱癌、十二指腸乳頭癌、大腸癌が次々見つかったが手術を受け奇跡的な回復をみせていた。
膀胱癌から復活後、「仕事を辞めて退屈だから先生見習って犬を飼う」と聞いた。風貌に似合わぬ可愛い小型犬だったのが可笑しかった。

その後の癌の療養中も弱音は見せなかった、仕事柄人の3倍は遊んだし、金も使った。「生きるのは太く短くていいんだが、愛犬は俺が見送りたい」、が口癖だった。

その彼に肺転移が見つかった。

これからの心構えを話してくれて、帰り際に一言付け加えてくれた。

「先生まだ落ち込んでるの? 自分の命がとやかくじゃないし、元気だしなよ」

りんたは金太郎さんと一緒に又ひとつ教えてくれた。